Amazonが日販(出版取次最大手)への発注を一部中止を発表しました。
今後は、各出版社と直接取引へという流れになります。
このAmazonをめぐる取次会社との問題はたびたび、報道されてきました。
出版業界における取次会社は、よく他業種の問屋や卸業にたとえられますが実際は、委託販売制により発生する返本作業や代金回収・金融、情報サービスなども担っているので、単なる問屋とは少し異なります。
取次会社が書店をコーディネートしている部分は大きいと思います。
出版文化を支えているといっても過言ではないです。
アマゾンほどの規模になれば現状、取次会社が担っている作業を自社でこなすこと可能だと思います。
問題点としては、アマゾンが自社でこなし、出版社と直接取引してしまうと、これまで取次会社に落ちていたアマゾン分の仕事が、アマゾンに落ちることになりますので当然のことながら、取次会社の減収となります。
アマゾンの日本国内における新本のシェアは決して小さくはないので、これは取次会社にかなりの痛手となります。
一歩間違うと取次会社の倒産につながります。
もっとも出版会社がアマゾンとの直接取引に応じるか否かというのはまだわかりません。
直接取引に応じてしまと今後、様々な交渉の主導権をアマゾンに握られてしまう可能性は否定できません。
取次を一枚挟むことの有用性を出版各社は十分に理解していると思います。
わたしがアマゾンならば、取引価格の交渉を毎年するようになるかもしれません。
キンドルを拡大するために人気作家に電子書籍限定版を出版するように出版会社に圧力をかけるかもしれません。
相手はあのアマゾンですからね。
わたしはアマゾンの存在を否定しないですし、便利なサービスを色々と提供してくれているなとユーザーとしては思います。
しかし合理化一辺倒なところは少々気にはなります。
世界が合理化していっても、日本かノーといってもいい部分はたくさんあると思います。
それがその国のお国柄につながると思います。