帰省すると決まって道路の話を聞くことになる。
新しく出来た道路の話だ。
わたしの田舎は電車と車社会が併存しているような土地だ。
都内に出るならば圧倒的に電車のほうが便利だが、日々の買い物にはクルマが必要だ。
かつては駅前に大規模商業施設が存在していたが、数年前に撤退してしまい、いまはコンビニぐらいしか営業していない。
だから、国道沿いのスーパーまでわざわざ買い物しにいかないと日々の生活が送れないのだ。
こういった地域は増えているし、今後も増えていくのだと思う。
そして田舎に帰ると、必ず新しい道路の話になる。
これは観光で地方に行っても、同じ傾向がある。
観光タクシーに乗ると必ずといって良いほど話題にされるし、住民にもよく話される。
別に道路の話が嫌なわけではないが、興味があるわけでもない。
いちおう、へぇーと返事はしているが、気持ちはほとんど入っていない。
だって、そこに住んでいるわけでもないし、たとえ通ったとしても短期の滞在期間だけであまり関係がないのだ。
もちろん住民や関係者にしてみたら、新しい道路によって生活が便利になっているわけだから、道路の話がしたいという気持ちはわかる。
車社会ならばなおさらだろう。
緊急の場合、新しい道路で命がつながる人もたくさんいると思う。
就職就学の選択肢だって増えるだろう。
しかし関係ない人間にとっては、道路は正直、どうでもいいのだ。
少子高齢社会・人口減少の現在、まだまだ新しい道路が出来ているが、果たして今後、維持するコストを払うことが出来るのだろうか?
おそらく適当な人口密度というものがあって、それを満たさない土地は、居住地域を集約化していくことも今後必要になると思う。
田舎で道路の話を聞くと、ついこんなことばかり考えてしまうのだ。