三ツ矢サイダーが早々にCM放送を中止した。
トランペット奏者の背後からぶつかるというのがどうやら問題点らしい。
たしかに、トランペット奏者の背後からぶつかるという行為は危ないだろう。
しかし、冷静に考えれば、どんな場面でも人にぶつかるという行為は危ないのだ。
危ないからCM上の演出としてダメというならば、なんでも危なくなってしまう。
たとえばハイタッチだって骨折するかもしれないし、自転車だって乗れば転んでしまうかもしれない。
気球に乗ることだって危ないし、プールに飛び込むことだって危ない。
わたしには、トランペット奏者の背後からぶつかるという行為が取り立てて危ないようには思えない。
もちろん危ないのだろうが、人の想像力を信じたい。
まず他人にはやらないだろう。
これが学校の教科書に載っているならば良くないことかもしれないが、あくまで1企業のCMに過ぎないのだ。
CMだから多くのクレームが出れば放送を取りやめてしまうが、きっと今後作られるCMはもっとつまらないものになるだろう。
テレビがつまらないといわれて久しいが結局は、視聴者の誰かがテレビ狩りにせいを出しているのだろう。
番組も、CMも、脚本も、演出もみんなみんな狩られていく。
観ないという抵抗の選択肢を選ばず、狩るほうを選んでいる人たちのために。
年々、スリムになっていくテレビはわたしたちに何を与えてくれるのだろう?