ここしばらく芸能界の奴隷契約というものが取り上げられていますね。
日本の芸能界のしきたりのようなものなので、いまさら感もありますが、少し書いてみたいと思います。
奴隷契約と呼ばれる理由には、契約期間が長いことと、タレント側の歩合が低いことが上げられます。
所属事務所にしてみれば、ようやく売れたタレントを他の事務所に持っていかれたくないので、契約期間はなるべく長くしたいですよね。
芸能事務所は星の数ほどありますが、知名度のあるタレントは誰もいないというところがほとんどです。
だから所属タレントが売れた際は、なるべく長いあいだ事務所に貢献してほしいわけです。
貴重な稼ぎ頭で、そのタレントの売上で、そこまでの負債や様々な経費を賄うわけです。
もちろん新人の売り出しのお金も売れているタレントの売上から出します。
芸能界はひとりが売れ続けることが難しい業界でもあります。
志望者がとても多いので、ほとんどのタレントはやがてメディアに露出が減り、あの人はいま状態になります。
こういった経費もかかるので、タレント側の歩合は減ります。
タレント側の歩合も良くて、新人も積極的に売り出してくれるような事務所はあまりありません。
有名な芸能事務所でも、イベントコンパニオンやエキストラのような仕事はくれますが、生活の保証があって、良い仕事もコンスタントに回してくれるようなところはほぼないです。
良い現場なんて年に1回あればマシなほうだと思います。
そもそも誰もが入りたいような現場はギャラも安いので、拘束期間が長いとアルバイトもできなくなるので、タレントの金銭的な収支的にはマイナスということが多いです。
たとえばテレビドラマなどの場合、まずは大きい組織が大きなお金をとって、次に主役級がごっそり、準主役がしっかり、脇役がちゃかりととります。
そしてその他の大勢でも事務所に所属している人たちが残りをキープして、無所属の人たちはしぼりにしぼった雑巾をさらにしぼって、自分たちの取り分にします。
まあほぼないですよ。
だから、昔気質の大御所の役者は、下にこずかいをあげるわけです。
そうしないと生活が出来なくなります。
役者も裏方も助け合っているわけです。
こうして成り立っていたのが芸能界です。
いたのは、というのは最近、こういった大御所も少なくなっているからです。
奴隷契約というのは簡単ですが、そうなりがちなのは深いワケがあります。
一般のサラリーマンだって、会社からもらっている見返りが十分なのか、一度考えてみると良いかもしれないですね。